ドーナツホールから見える宵闇

なんとなく思ったことを書いてます

甘さで癒される

落ち込んだ時に私を癒してくれるのはお菓子である。

お酒も煙草も嗜まないし運動もしないから、ついストレスの捌け口を食に頼ってしまう。

 

甘いものが食べたい!というちょっと暴力的とも言える欲望を抱えスーパーやコンビニで生クリームたっぷりのプリンやたけのこの里を買う。(最近やっときのこの山の美味しさに気付いた)

トッポも好きだしアポロもキャラメルも好きだ。

 

子供のころから馴染みのあるお菓子は何十年経っても販売され続けているだけあって、とても美味しい物が多い。

大人になってからデパ地下の豪華なデザートや有名店のケーキも食べたけれど、仕事で疲れた帰り道に寄るスーパーのお菓子売り場に勝るものはないと思う。

 

両親はずっと共働きだったので、私は小学校低学年の頃から所謂鍵っ子であった。

学校が終わり家に帰るとテーブルの上にその日のおやつが置いてあり、それがたけのこの里だったりアポロだったりキャラメルだったりした。

それをむしゃむしゃと食べてから友達と公園で遊んだり、時にはそのおやつを持って遊びに行ったりする。

私にとってテーブルの上のお菓子は家にひとりぼっちだという寂しさと、そんな私を気にかけてくれる母の優しさの象徴だ。

シンとした家に帰る心細さは砂糖の甘さと一緒に飲み込んできた。

“白砂糖は体に良くない”“砂糖には中毒性がある”などなど、上白糖の害を声高らかに主張されたりもするが(そして時にそれを気にしたりもするが)、幼い私の寂しさを埋めてくれたのは紛れもないその悪魔の甘さだ。

 

 

お財布の中には銀のエンゼルが2枚ある。時々思い出したようにチョコボールを買うんだけれど、中々5枚集まらない。金のエンゼルは見たこともない。おもちゃの缶詰めは果てしなく遠い。

それでもまだ私に夢を見させ、今も変わらず私を癒してくれている。

 

“心の故郷”ならぬ“心のお菓子”が皆んなの中にもあるんじゃないかな。