ドーナツホールから見える宵闇

なんとなく思ったことを書いてます

若き日の勇者

弱虫ペダルにハマっていた頃、うっかりロードバイクを買った事がある。赤いリドレー。

3回乗ってから長い間実家のオブジェと化して、結局売ってしまった。

リドレーで土手に走りに行った時、人気のないところまで行くと昼間でも何となく怖くなった。

鬱蒼と生い茂る草の影から何か出てくるんじゃないかと、急に警戒心のボルテージが上がり慌てて引き返したのを覚えている。

10代の頃、20代の頃は怖いものが少なかった。土手も夜道も大人も怖くない。

根拠なき自信、謎の無敵感。自分は何者にでもなれるという明るい希望。

そんなものが体の中を満たしている感じ。どれだけ疲れても1日寝れば復活したし、口内炎も3日で治った。

RPGの世界ならば間違いなく勇者だったと思う。

 

実際に怖い目にあった事がないというのも理由だったかもしれないけれど、今現在も幸せな事に特に何かあったわけじゃないのに怖い物が増えた。

人気のない土手は怖い。夜道は怖い。人は怖い。失敗が、中傷が、落胆が怖い。

自分の持つ可能性を疑う日もある。経験が邪魔に思える時も。

自分では変わったつもりはないのに、確実に何かが変わっているのだろう。

でもそれはきっと悪いことばかりではないはずだ。

 

若者が勇者であるとするならば、年配者は賢者だろうか?

個人的には年配者は魔法使いがいいと思う。

知恵だけではなく技術も身についていると思うから。

どんな事も年月を重ねて習得したものは魔法のように見える。

PCを早く打つ手の動きも、楽器を弾く姿も、料理中に胡椒を振る動きも。

それに、賢者より魔法使いの方が格好いいので。

 

 

P.S

実はさっき、違う記事をアップしていた。

おもに私の弱音を吐いたものだ。

読み返してみたら何だか恥ずかしくなって下書きに戻してしまった。

スターを付けてくださった方々、有難うございました。