ドーナツホールから見える宵闇

なんとなく思ったことを書いてます

塗るのも綺麗、塗らないのも綺麗

高校生の頃、ネイルアートに憧れて色んなマニキュアを集めていた。ネイルサロンなんて敷居が高くて行けなかったので雑誌に載っているものを真似しながら塗りたくる。

爪楊枝の頭を使ってドット柄にしたり、ラメのグラデーションにしたり。

足の爪は派手な色が映えると思っていたので深紅や黒、紺色にすることが多かった。

今ほど速乾性のものはなかったから乾くまで動けなくて大変な思いをしたり、塗り終わった途端に宅急便が届いたりして慌てることも。

 

大人になってからは職業柄、手にはマニキュアができなかったのでますます足の方が派手になっていった。ネイルサロンの敷居は未だに越えられていない。

ネイルシールも進化していって、自己流でもそれなりに満足できたのだ。

 

ある日、久しぶりに何の色も乗っていない自分の足の爪を見た時に「あ、こっちの方が綺麗だったな」と気付いた。

私の足の形は結構歪で、純粋に形だけ見たらとても綺麗ではないんだけど。その時は綺麗だなって思えたのだ。

それからは何も塗らなくなってしまった。夏になるとサンダルを履いたときに色がないのが寂しくも感じるんだけど、お風呂上りに見るのは自爪の方が良い。

 

こうやって段々と好みが変わっていったり、自分の本当に好きなものがわかっていったりする。そしてその方向にシフトチェンジしていくのだが、それが他人に受け入れられないこともある。

自分の変化は案外、自分よりも回りが否定してくるものだ。

回りが変わっていくことはきっと怖く感じるのだろう。