ドーナツホールから見える宵闇

なんとなく思ったことを書いてます

とある日の夜

少し前、突発的な出来事があって夜の電車に飛び乗った。

久しぶりに遅い時間の電車に乗ってみると結構混雑している。

「みんなこんな時間まで働いているのか・・・」と驚いた。

夜の電車はどこか心細くなる。

 

初めて行く場所だったから、電車に揺られつつも目的の駅を過ぎてしまわないように

じっとドア上の電光掲示板を眺める。

全然知らない駅で全然知らない人たちと降りる。

1時間近くも運ばれた先は時間の経過か、場所の移動のせいか、家を出た時よりもぐっと寒く感じた。

駅前は暗くて、迎えに来てくれていた車のライトを見つけてホッとする。

用事を済ませるととっくに日付けは回っていて、

家まで車を走らせた。

(もちろん私は助手席担当なんだけど)

真夜中の思いがけないドライブ。

道は当たり前に空いているので下道を選択する。

こんな時間に外にいるなんて1年に1度ないし、そもそも普段なら起きていることも滅多にない。

久しぶりの外の夜は、私の想像よりもずっと怖くなかった。

もっと静かで、全てを包み込んでいるような感じ。

 

家に着いたのは午前3時。

もう早朝に近いじゃん。と思いながらも熱いシャワーを浴びて

少しの白湯を飲んでからベッドに入る。

眠れないかもしれないなんて心配は杞憂で、目をつむるとほぼ同時に意識を手放した。

次の日は昼まで寝る。と決めていたのに

あっけなく7時には目が覚めてしまって、体内時計ってすごいなと思う。

そこからはまた日常に戻っていく。

一晩だけの特別な出来事。

きっと何年経っても覚えているだろうな。

メインの用事じゃなくて、行きの電車と帰りのドライブを。