ドーナツホールから見える宵闇

なんとなく思ったことを書いてます

目的もない、当てもない、空気だけはある

今日は朝から電車に乗った。下り方面の空いているやつ。

特に用事はなくて、行く当てもない。

でも急に電車に乗りたくて。

寒くなってくると、電車内のあの足元から出る暖かい風が好き。

そして座ってうとうとする心地良さ。

 

冬の強すぎない日の光で体がじんわり温まる感じとか

駅に着いた時に入り込んでくる新鮮な空気とか。

そういうのが恋しくなって、とりあえず各駅停車に乗り込んだ。

少しずつ変わっていく風景や見慣れない看板を見ると小旅行気分になる。

30分くらい揺られて、今まで降りたことのない駅で降りてみた。

主要駅ではないから、駅前もそこまで賑わっていない。

 

駅で買った水を飲みながら目的地もなく散歩した。

別にものすごく地方に来たわけでもないのに、住んでいる街とは空気が違うように感じて深呼吸してみる。

途中にあった錆びた信号機がなぜが美しい。

新しいLEDのものや、やたら薄っぺらいやつじゃなくて

昔からある歩行者用の大きな分厚い信号機(ブラウン管テレビみたいなやつ)が好き。

エモいとかノスタルジーだとか言う気はないけれど、

理由も分からず心揺さぶられる物は誰にでもあるはずだ。

駅の周りを大きく一周してから帰りの電車に乗った。

 

車内はやっぱり空いていて、無事に端っこに着席する。

しばらくすると乗り込んで来たちょっと派手で可愛い感じの女の子が

ドア横(私にとったら隣)に立っていて、それだけで少し嬉しくなった。

美しい装いは回りの人の幸福度にも関係していると思う。

 

最寄りの駅に着けば頭の中はスーパーで買うものとか、

ドラッグストアに寄っていこうかななんて日常に戻っている。

たった2時間にも満たない散歩だったけれど、私はとてもハッピーだ。